三浦孝仁
岡山大学名誉教授、環太平洋大学・体育学部長兼スポーツ科学センター長
この神秘的で魅力的な美しい「もう一つの世界」を体験できるダイビング。
本書は障がい者のある方でも、生涯スポーツとしてダイビングを安心・安全に楽しめるよう、障がい者のある方をはじめ、インストラクターの方々に向けて、まとめられた一冊。
【推薦文】
障がいの有無にかかわらず、めくるめく海中世界にチャレンジできたなら、どんなに素晴らしいことでしょう―。
2006 年に成立した国際人権条約である「障害者の権利に関する条約」では、第三十条に「文化的な生活、レクリエーション、余暇及びスポーツへの参加」として、「障害者が他の者との平等を基礎としてレクリエーション、余暇及びスポーツの活動に参加することを可能とすること」が示されています。本書で紹介されているダイビングなど、余暇の充実は、真に生活の質QOL)を向上させるために欠かせないことと言えるでしょう。
しかしながら、障がい者支援は基本的な生活場面や就学・就労といった、いわゆる正課場面での拡充が先んじられ、余暇活動への参加にはまだまだハードルの高さが否めません。「やってみたいけれど、どうすれば?」と、なかなか「一歩目」の見当をつけにくい現状があります。本書には、「誰もが参加できるダイビング」への道しるべとして、その歴史や方法など、「一歩目」に必要な情報がわかりやすく網羅されています。
本書を傍らに、豊かな自然が待つ「ダイビング」の世界へ、ぜひ飛び込んでみてはいかがでしょうか。
池谷航介(岡山大学 全学教育・学生支援機構 講師)
A4判 72ページ 電子書籍(PDF)ファイルサイズ:14.2M
2021年11月12日発売
定価:1,650円(本体:1,500円)
ISBN 978-4-908121-13-5
【目次】
はじめに
Ⅱ.障がい者とスクーバ・ダイビング
スクーバ・ダイビングとは?
1)スクーバ・ダイビング(SCUBA DIVING)
2)ダイビングの認定制度
障がいがあってもできるのか?
1)障がい者ダイバーの一般的な特徴
2)障がい者ダイバーに必要なSCUBA 器材
3)マウスピースを咥える必要のないフルフェイスマスク
Ⅲ.障がい者ダイビングのさまざまな技術・認定制度
障がい者がダイビングをする方法は?
1)障がい者のためのマルチレベル別認定制度
2)障がい者ダイバーの水中泳法
Ⅳ.障がい者ダイバーを指導するためのテクニック
障がい者にダイビングを指導する方法は?
1)障がい者へのダイビング指導上の留意点
2)インストラクター・スペシャリティコースとしての障がい者ダイビング指導講習
3)障がい者ダイバーを指導するための心構え・期待されること
Ⅴ . 障がい者ダイバーへのメディカルチェック
実際に指導するにあたっての留意点は?
1)指導に入る前にチェックする項目
2)ダイビング可否に関するインストラクターと本部対応の一例
Ⅵ.障がい者ダイバーの身体的特徴
どのような方が、ダイビングに参加しているのか
1)年齢
2)性別
3)在住先
4)障がいの種類
5)肺機能と血圧
CONTENTS 日本の障がい者ダイビング── 30 年の歩み
Ⅶ.障がい者ダイビング指導団体概要
どのような指導団体がありますか?
国内団体
国外団体
Ⅷ.障がい者ダイビング参加者の声
Ⅸ.ボランティア参加者の声
おわりに
出版に寄せて
参考文献
[資料]
障がい者スポーツ関連年表
障がい者ダイビング関連施設・問い合わせ先一覧
【電子版】日本の障がい者ダイビング~30年の歩み | AMS.Pro